こんなかんじ

体力低下中

5月2日 水曜日 晴れのち雨 連休5日目

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最寄駅1で見覚えのある女性を見かけた。一瞬目が合ってお互い「あっ」という風になったけれど、それぞれの歩くスピードを緩めることなく通り過ぎていった。改札を抜けてちょうど来た電車に乗って、隣の車両に空いている席を見つけて座り、あの女性とどこで出会ったのか、目的の駅に着くまでの15分ほどの間ずっと考えた。一緒に働いていたような気がしていた。直近の派遣先から遡っても全然しっくり来ない。色んな職場で働く自分とその女性を同じ空間に置いてみても、どうも違う。結局10年以上前に父親が経営していたレストランのホールで一緒に働いていた女性じゃないか、というのが最も可能性が高いという風に落ち着き、目的の駅に着いてから喫茶店へ移動しコーヒーとミックスサンドイッチを注文した。暗くて静かな喫茶店の奥まった席に着で、本を持ってくるのを忘れたのをいいことに、駅ですれ違った女性の正体を納得がいくまで突き詰めることにした。

女性の顔を頭に浮かべていると、少しずつ顔が変化していった。しっかりした輪郭がぼやけて最終的には若い頃の弘田三枝子に変わり、もしかしたらこの女性と一緒に働いたということが全部幻か何かで、実はこの女性はこの世にいなくて、私が創り出した存在なんじゃないかという気もしてきた。少し間を置くと女性の顔は弘田三枝子からまた駅ですれ違った女性に戻るけれど、それでもふわふわしたイメージは集中しないと一瞬で消えてしまうほど脆かった。

静かだった喫茶店が、年配女性の編み物トークと中年サラリーマンの仕事の話で賑やかになった頃、お腹も膨れたことだし考えるのを諦めようと思った。きっと私の記憶のどこの職場でもしっくり来ないのは、私の記憶力の問題だと思った。

そうやって諦めようとしたとき、フワッと明確な輪郭でその女性を思い出した。猫背がスッと伸びて目がカッと開いた。そうだ、3月まで働いていた職場で週に1回だけやって来る女性だ。カウンター越しで話していたから上半身だけしか記憶に残っていなかったんだ。だから顔だけのぼやけた記憶しかなかったんだ…。

休日のところ社外打ち合わせにだけ参加していた夫が喫茶店にやって来て、六本木でやっているライアン・マッギンレーの展示を見に行った。ギャラリーを出ると小雨が降っていたので、どこにも寄り道せずにまっすぐ帰宅した。